


早くもスギ花粉が飛散を始めているようです。
先週より、花粉症の患者さんの来院が増えてきています。
最近は予防投与といって、本格的に飛散が始まる前からお薬を飲むことが勧められています。
少し鼻がムズムズするなあ、と感じるころより、お薬を飲めば症状が軽くすみます。
早めにお薬を飲み始めましょう。
コラム記事:耳鼻咽喉科 澤西雄一郎
A1.
杉やヒノキなどの植物の花粉のアレルギーを花粉症と言います。
症状は、鼻だけでなく、のどの痛み、咳、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどさまざまです。
「アレルギー性鼻炎と花粉症はどう違うのですか?」と時々質問を受けますが、花粉も含め、花粉以外の物質(ダニやハウスダストなど)によって、引き起こされる鼻症状全般を、アレルギー性鼻炎と呼びます。
一方、アレルギー性鼻炎のうち、花粉が原因のアレルギーを花粉症と呼びます。
A2.
花粉症の主な原因の植物として、スギ、ヒノキ、イネ科の植物、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラが挙げられます。
それぞれの開花時期(花粉の飛散時期)は、スギが2月上旬~5月上旬ごろ、ヒノキが3月~5月の間、イネ科が4月~6月の間と8月中旬~11月ごろ、ブタクサが8月~10月の間、ヨモギが8月中旬~10月ごろ、カナムグラが8月上旬~11月上旬に開花します。
A3.
花粉症患者は年々、増加していると思います。2008年に行われた疫学調査で、スギ花粉症の有病率が、10年前の16.2%から、10ポイントも増加し、26.5%の有病率となっています。また、スギ花粉症は低年齢化が進んでいます。
もっとも大きな原因は スギ、ヒノキ林の増加、つまり抗原量の増加です。そのほか、環境の変化が挙げられます。 大気汚染、食生活の充実と西洋化、人工物、食品添加物の使用の増加も花粉症患者の増加の一因と考えられています。
A4.
「血液検査」で、どの植物の花粉にアレルギーを持っているのかを調べることができます。 同時に、アレルギーの程度も知ることができます。
A5.
基本は花粉の暴露から遠ざけることですが、それだけでは限界があります。自分の花粉アレルギーを知り、早めの対策と予防を行うことが必要です。
A6.
「薬物療法」以外には 「特異的免疫療法」、「手術療法」があります。
「特異的免疫療法」とは、アレルギーの原因となる物質(抗原)のエキスを皮下に注射する方法です。週に1回程度、この注射を繰り返し行い、アレルギーをおこさせなくする方法です。これを減感作(げんかんさ)と言います。治療には数年かかる場合があります。
「手術療法」として、鼻の中の粘膜を焼いてしまう方法があります。鼻の中には粘膜があり、これがアレルギー反応によりふくれてしまうことによって、鼻の中の空間が狭くなり、鼻づまりを引き起こします。この粘膜を焼いて粘膜の量を少なくする方法です。
その他、鼻水、くしゃみが難治性の場合、鼻水、くしゃみの神経を切ってしまう手術もあります。いずれにしても耳鼻咽喉科などの専門の医療機関でご相談下さい。
A7.
乳酸菌やビフィズス菌などの抗アレルギー作用に関する研究が進められています。アトピー性皮膚炎が改善したという報告も存在します。アレルギー性鼻炎に対する効果も研究されていますが、治療効果、予防効果に関するエビデンスはいまのところ、十分にはありません。